太陽と青空の下で

ご主人様の空を自由に羽搏くわたし(従者)─ご主人様への気持ちや従者としての日常を綴ります

ループ


時々考えること─

ご主人様は常日頃からわたしのことを
「可愛くて仕方がない」
と言って下さり、そのお言葉通りに扱って下さいますが…
「わたしなんかのどこがいいんだろう」
とか、ね。

あ、
ご主人様のお気持ちを疑うのではありません。

でもご主人様はわたしよりお若いですし、殿方としても魅力的な方なので…
素晴らしい方だと思うほどに、自分が卑小な存在に思えて仕方がないのです。

とは言え、
「もう一人、エム女性を従者にお迎え下さい」
という、(出すぎた)わたしの申し出にも
「私にはお前がいるからいい」
「ずっと私の側にいなさい」
と、愛しそうに目を細めながら言って下さったご主人様を思い出すと、それ以上ネガティヴにはなりようもないのですが。


ご主人様はわたしに対して、否定的なことは一切仰いません。
逆に、何かあるごとに褒めて下さいます。

ご調教のときは厳しいものの、それ以外では、これ以上ないってくらい、甘やかして下さいます。
何かにつけ、
「無理しなくていい」
「頑張らなくていい」
「ありのままのお前でいい」
と言って下さいます。


この世界に飛び込んでから、十数年になります。

人には安易に話すことのできない自分の仄暗い部分…「それも自分の一部なんだ」と認めてやりたいために、今まで色んなことを経験しました。
が、逆に、ご主人様と出会う頃には、自分を否定するしかできなくなっていました。


ご主人様に拾っていただいた頃は、戸惑いの連続でした。
文字通り、捨てられたペットが新しい飼い主のもとに連れて来られたときのような
「ほんとにここに居てもいいのかわからない」
「どう振る舞っていいのかわからない」
…嬉しさとともに、そんな戸惑いが影のようにつきまといました。
主従関係を結んだくらいなので心を開いていたつもりでしたが、やはりどこかで身構えていたのだと、今ならわかります。
「また棄てられたらどうしよう」
と。

今はもうそれはありません。
変な格好で寝ている犬のように、安心しきってどーんと構えています。
ときには
「わたし、こんなんでいいのかしら?」
なんて思いながら。

そして、
「ずっと側にいなさい」
と言って下さるご主人様に
「ご主人様の、<主>としての残りの人生をわたしなんかが頂戴していいのかしら?」
とも考えてしまうのです。


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