影
伸びた影は、いつもわたしの足下に張り付いている。
それはわたしのかたちを忠実に表すのではなく
光の加減によって、ときに、大きくなったり小さくなったり
色濃くも薄くもなる。
そう、
光がある限り、必ず、わたしの足元には影がある。
でも、飛んでいるときには、影はわたしから離れる。
高く飛ぶほどに、自分の影がわからなくなる。
どんなに無様な姿であっても、それはもう、ご主人様だけが確認できること。
いつも変わらずにわたしを見下ろしていて下さる、ご主人様だけが。
どんなに離れてはいても、その影ごと、わたしを見守り抱きしめて下さるのだ。
─何かあったわけではなくて
帰り道、大きく伸びた自分の影を見て、ふと考えたコト。
”