太陽と青空の下で

ご主人様の空を自由に羽搏くわたし(従者)─ご主人様への気持ちや従者としての日常を綴ります

無音の夜空


ご主人様が素晴らしい方だと思えば思うほど、自分の卑小さが影を落とす。

「わたしなんかには勿体ない、素晴らしいご主人様」
と誇らしく思っているのが、時々、
「ご主人様にはわたしなんか相応しくないのではないか」
というネガティヴな考えに反転する。


ご主人様はわたしに、否定的なことは一切仰らない。ありのままのわたしを受け入れ、認めて下さる。
のみならず、お友だちとのLINEで、惚気たりして下さる。

そのわたしは、容姿はダメだし、そのうえ、ご主人様より歳上だ。
そんな引け目のようなものがあり、褒めて下さるようなお言葉だけは、素直に受け取ることができずにいた。

ご主人様のことが信じられないのではない。信じられないのは、自分の価値。

でも、それを突き詰めると、<ご主人様が選んで下さった自分>、つまり、ご主人様の選択を否定することになるわけで。


そんな考えに捉えられてぐるぐるしていたら、元気がないのに気が付かれたご主人様が
「何かあったのか。言ってみなさい」
と聞き質して下さった。

つっかえつっかえ、お話しした。
本当なら、自分自身で気持ちを消化させなくてはならないことであり、お話ししても仕方がないこと…
そう思いながらも、全部、お話しした。

ご主人様は最後まで黙って聞いて下さり、簡単にこう仰った。
「従者あっての主だ。お前が自分をどう思おうと、私の自慢の従者であり、愛しく思っている。」

わたしが抱えているコンプレックスは、ここには書けないほど、根深くて、簡単には消せないものだけれど。
それよりも、ご主人様のそのお言葉、そのお気持ちを何より大切に思っていれば、少なくとも、悩む必要なんてない。

─そう思えて、すうっと軽くなった。


たぶん、これから先も、同じようなことで躓いてしまうんだろうけれど、ご主人様とわたしの関係に影響を与えるようなことにはならない。
そう信じられる。